炭水化物ゼロだけがすべてではない、3種類のケトジェニックダイエット紹介
今回のテーマは、ケトジェニックダイエットの応用編として、目標と運動レベルに応じて選べる、3種類のケトジェニックダイエット法について解説していきます。
※後述するCKD、TKDはケト経験のある中上級者向けの内容です。初挑戦されるかたは、オーソドックスなケトジェニックダイエット(SKD)に先ずは挑戦されることをお勧めします。
高強度のトレーニング(ボディビル的なウエイトトレーニング等)を行う場合、炭水化物を制限し始めた後、これまでと同様のパフォーマンスを発揮することに皆さんは苦労するかもしれません。
その場合、パフォーマンスを向上させるための解決策として「炭水化物を利用する」という選択肢があります。「え!?ケトジェニックで炭水化物とって良いの??」と思われるかもしれませんが、戦略的に炭水化物を摂っていくケトジェニックダイエット法があります。
それでは、3種類あるケトジェニックダイエットの食事法の概要について説明していきます。
ケトジェニックダイエットの3つの主なスタイル
・Standard Ketogenic Diet (SKD)
・Targeted Ketogenic Diet (TKD)
・Cyclical Ketogenic Diet (CKD)
それぞれの食事法は、明確な特徴と目的があるので、みなさんの目標、トレーニング計画、運動経験等に応じて、ベストな方法を選択してきましょう。
・Standard Ketogenic Diet (SKD)
Standard Ketogenic Diet (SKD)は、ケトジェニックダイエットが言及されたときにほとんどの人が考えるものです。これは、炭水化物が非常に少なく、タンパク質が中程度で、脂肪が多い食事です。(高タンパク質、中脂質と勘違いしてしまう人がいるので要注意)
体脂肪燃焼を最優先に考えていて、低~中程度の強度の運動(例えば、ウォーキング、サイクリング、ヨガ、そしてライトウェイトリフティング)をするだけであれば、SKDは理想的な食事かもしれません。
この食事法のアプローチでは、炭水化物は大幅に制限しなければなりません。摂取量30グラム程度に抑え、一般的なルールとしては、果物、主食類、砂糖類は避ける必要があります。
・Targeted Ketogenic Diet
Targeted Ketogenic Diet (TKD)は、ワークアウト時間の前後に炭水化物を摂ります。TKDは高強度の運動パフォーマンスを維持し、かつ長期間ケトーシスを中断することなくグリコーゲン補給を促進する食事法です。
通常はワークアウトの30〜60分前に、また場合によってはトレ中、トレ後も炭水化物を摂取し、その間は脂質の摂取は極力控えるようにします。
有酸素運動や中強度程度のウエイトトレーニングをする人であれば、TKD(そしてCKD)は合わないので、SKDに専念すべきです。
・Cyclical Ketogenic Diet
Cyclical Ketogenic Diet (CKD)は、標準的なケトジェニック食(SKD)と炭水化物ローディング日を組み合わせた食事法です。これは、一般的に高強度な運動をするボディビルダーやアスリートが、パフォーマンスを最適化するために選択されます。炭水化物を一切摂らずに、最高の状態で高強度ハイボリュームなワークアウトをすることはかなり困難なためです。
この食事法はグリコーゲン貯蔵庫を完全に補給するために、週に1〜2回炭水化物のローディング日を実施することが通例です。
CKDは、炭水化物ローディング中にグリコーゲンを完全に補充し、それ以外はケトンレベルを上昇させることで炭水化物とケトーシスの両方の恩恵を受ける、まさに良いところ取りを狙った方法です。
どのケトジェニックダイエットを選ぶべきか?
自分に合った正しいケトジェニックダイエットを選ぶためには、目的や自分のトレーニングレベルを理解する必要があります。各ダイエット法について、推奨されるタイプをまとめると以下のようになります。
SKDがおすすめな人
・有酸素や低~中強度の運動をする人
・体脂肪の減少を最優先にしたい人
・基本的には全員にオススメ
TKDがおすすめな人
・リーンバルクで体脂肪率を低くキープしたまま増量したい人
・運動能力を高めるために炭水化物は必要だが、CKDほど一度にまとまった量の炭水化物の摂取を実践できない、または実践しない人
・CKDの実践に必要な量の運動を実行することができない人
CKDがおすすめな人
・リーンバルクで体脂肪率を低くキープしたまま増量したい人
・高強度、ハイボリュームな運動を実践する人
先ず第一に、めったに高強度の運動をしない、かつ第一に体脂肪を減らしたいのであれば、SKDに専念するのが一番良い選択肢です。より多くの炭水化物を加えることは、減量スピードを落とす事になります。
CKDとTKDのどちらが最適であるかを判断するには、実験が重要です。個人差があり、誰も同じではないため、自分にとって最適なものを見なければなりません。CKDのカーボのオンオフによるバリエーションがベストと感じる人もいれば、一貫して適量のカーボを入れ続けるTKDがベストな人もいます。
女性がケトジェニックダイエットを長く実践するとホルモンバランスを崩してしまうケースがあるのですが、CKDで週に一回カーボローディングすると、そういったリスクを低くしてくれる側面もあります。
また、CKDとTKDを考える前に、SKDにとどまり続ける事も選択肢として検討すべきです。トレーニングでパフォーマンスが発揮できている場合は、炭水化物を食事に加える必要は実際にはありません。CKDとTKDは強度の高い運動パフォーマンスを促進するためにのみ実践されるべきなので、トレーニングの前に甘いものを食べるための言い訳として利用するべきではありません。
CKDとTKDは自分の身体を限界に追いこみ、さらに高いパフォーマンスを目指す人向けのものであり、欲求解消の手段ではないということは誤解の無いよう、念頭においてください。
これまでの説明をまとめると、ケトジェニックには
・Standard Ketogenic Diet (SKD) ⇒ 標準ケトジェニック
・Targeted Ketogenic Diet (TKD) ⇒ トレ前後だけ糖質を摂るケトジェニック
・Cyclical Ketogenic Diet (CKD) ⇒ 週一でカーボアップするケトジェニック
という3つの手法があります。
SKDを基本をとして、高強度ハイボリュームなハードトレーニーにはTKD、CKDという選択肢があり、それにより高いパフォーマンスを発揮して、より効率の良い除脂肪又はリーンバルクができる可能性があります。
今回はケトジェニックダイエットの3つの手法について概要をご説明しました。また次回以降の記事にて具体的なCKD,TKDの実践方法についても解説していく予定です。
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