■ケトジェニックダイエットのメニューの組み方
ケトジェニックダイエットとは、糖質を制限して、ケトン体を主なエネルギー源とする減量方法です。糖尿病やアルツハイマー病の改善効果があると言われている一方で、長期的な実践による健康リスクが「ない」とは言い切れないのが現状です。
空腹感が少ない、筋肉量を残しやすいといったメリットがありますが、理論的に完全に確立されているわけではないので、実践には試行錯誤を要する方法になります。ケトーシスの適応に関しても個人差がありますので、それらの点を十分に踏まえたうえで取り入れるようにしてください。
今回は導入編ということで、ケトジェニックを始める時の食事の組み方や初心者の大半の方が陥る失敗について、ご説明します。
先ず一日のPFCを以下の順番で決めていきます。
1.タンパク質:体重×2.2~2.3g (総摂取カロリーの30%前後)
2. 脂質:総摂取カロリーの70%前後
3. 炭水化物:限りなく0gを目指す
例:体重60kgの場合
1.タンパク質は60(kg)×2.3(G)=138g(カロリー換算:138g×4=552Kcal)
⇒総摂取カロリーの目安は552Kcal÷30%=1840Kcal
2.脂質は1840(Kcal)×70%=1288Kcal(グラム換算:1288Kcal÷9=143g)
3. 炭水化物は上記の計算対象外。0を目指して不可抗力的に仮に30gとする(カロリー換算:30g×4=120Kcal)
まとめると、最初に設定するマクロとしてはP138g、F143、C30g、1960Kcalとなります。
ちなみに体重60kgの人の簡易的な消費カロリー計算では、体重60(kg)×40=2400Kcalとなるので、おおよそマイナス500Kcalぐらいのアンダーカロリーになる計算です。
食材に関しては、糖質が含まれるものは避ける必要があるので、主食類はもちろん、根菜類や糖質が含まれる調味料もNGです。
タンパク質に関しては、鶏、豚、牛、卵、乳製品、魚、何でも良いのですが、目標のPFCバランスの達成を考えると、タンパク質と脂質が同じぐらいのバランスで含まれているものが使いやすいです。
例えば、
・豚であればヒレは脂質が少なすぎるて△
・バラは脂質が多すぎて△
・ロースだとちょうど良い○
といった考え方です。(他の食事との兼ね合いなので×ではない)
また、摂取する脂肪酸の種類にも気を使う必要があります。いわゆる肉の脂というのは飽和脂肪酸が多く含まれているのですが、健康効果や減量効果も見込める不飽和脂肪酸(特にω3系)の摂取が重要になります。具体的な目安としては、一日一食分のタンパク質を青魚(サンマやイワシ)からとるのがオススメです。青魚に含まれるEPAは、様々な健康効果に加え、筋肥大にも関与すると言われているので、魚が苦手で食べられない場合はサプリで補う等して、摂取していきたい栄養素です。
ケトジェニックダイエットの実践で、皆がよく間違えがちなポイントが大きく二つあります。
1つは、ケトーシス移行時のナトリウムの摂取不足です。糖質をカットすることで、(水分を引き込むグリコーゲンが無くなる事で)身体は突如として水分を失い、ミネラルバランスが崩れやすくなります。よくケトジェニックは切り替えるタイミングでしんどくなるという話を聞きますが、その理由ははここで塩分が不足しているからというパターンが多いです (ケトフル) 。対策としては、塩コショウの味付けを濃いめにしたり、食事と一緒にスープ(糖質が低いモノ)を一緒に飲むことをおすすめします。
もう一つのやりがちなミスが、脂質が不十分でタンパク質を過剰に摂ってしまう事です。脂質が不足していると、エネルギー不足で糖新生を起こしてしまい、ケトジェニックの良さがなくなってしまいます。ローファットから切り替えると脂質をとるというのが恐ろしくなるのですが、体感的に摂り過ぎかなと思うぐらいでちょうど良いです。またタンパク質の摂り過ぎも、あまったタンパク質が糖新生を起こして、ケトーシスから抜けてしまう事があります。たまにケトジェニックは高タンパク質、高脂質ダイエットと説明されたりしますが、正確には中タンパク質、高脂質ダイエットです。糖質を摂らなければ何をしてもよい、というわけではないので要注意です!
次回のケトジェニックに関する投稿では、私の実際のケトジェニックダイエット減量末期のフル食(一日を通しての全食)を、意識しているポイントも添えてご紹介します。
今後はケトジェニック向けのサプリ、カーボバックローディング、停滞と摂取カロリーの下限(必殺技ファットサイクリング)、コンテスト向け最終調整等のコンテンツを準備中です。
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